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9.アンリーヌとノービア ②

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-06-19 09:14:25

 下手に探りをいれて、アンリーヌ様に嫌われるようなことがあっては私は大地にめり込んでしまう。

 王宮にはめり込むような土地はないけれど。花壇とかか?

 私が肥料となってしまう。

 お二人が上手くいくことが私の幸せである。

**********

 はぁ、ノービア様は剣術にも秀でてらっしゃるのね。

 陛下は私をノービア様の婚約者にもうプッシュしてらっしゃるけど、私でノービア様はいいのかしら?

 はぁ~。

「いけません。アンリーヌ様!なにか悩みがあるのですね?そんな疲れは我々が癒してしまいます!」

 そういうと私は湯殿に連行され、あれよあれよと衣服を脱がされ、湯浴みをし、全身マッサージを受けた。

 気持ちいい…。

「それで、アンリーヌ様は何をお悩みで?」

「え~?ノービア様の婚約者に私なんかでいいのかなぁ?って~」

 頭もなんだかフワフワとしています。

「ノービア様は剣術も素晴らしいですし、私なんかと思っちゃって~」

 それ以降の記憶も途切れました。

 翌朝、サーっと背筋が凍る思いでした。

 私は昨日、侍女に何を話したの?疲れているあまり、頭が朦朧として話をしたような…。

「アンリーヌ様!ご安心ください。ノービア様はアンリーヌ様がいいのだと公言しています」

 本当に、私は昨日何を言ったのだろう?

 ノービア様のお言葉はすごく嬉しいのですが、何でしょう?漠然とした不安があります。

「なんでこの部屋を使ってる者がいるの?私以外に‼」

 なんだかヒステリックな声が聞こえます。何でしょう?

「アンリーヌ様はお気になさらずに。『自称・ノービア様の婚約者』でありますカインド帝国のジャニス公爵家長女であらせられます、クラウス様です」

「クラウス様については……あくまでも自称ですし、殿下は相手にしていません。見ているとなんだか痛々し…言い過ぎかしら?」

 『自称・婚約者』の方がいらして喚き散らしているのね?これは迷惑だわ。

「いいえ、キチンと出迎えるのが筋というものです。着替えて出迎えましょう。

 レアには湯浴みからのマッサージで整えられ、リリーにはその後の衣装や装飾品などで着飾らせされ、クラウス嬢と対峙するための見た目にはなった。

「私達はこの後、お茶などを用意致しますね」

 そう言い残し、二人はいなくなった。

 心細いですけれど、これも試練と言えば試練です!

「なんだか淑女とは思えないような大きな声が聞こえたのですが、貴女ですか?」

 私はそう残った侍女にジャニス公爵令嬢を招き入れてもらった。

「それがどうしたのよ?貴女は誰なの?」

「まぁ、自己紹介もせずに相手の自己紹介を求めるなんて…私はアイリア王国よりノービア様によりこちらに連れて来ていただきましたアンリーヌ=ラドと申します」

「爵位は?」

「私は爵位を持っていませんけど?まぁ!爵位などで人を判断なさるのですか?一度病院で診てもらう必要があるのでは?病気だと大変ですよ?感染性のものだったら大変」

 クラウス嬢が持っている扇子がメキメキと音を立て始めた。結構な値段のものでしょうけど、公爵家ならそんな扇子なんとも思わないのでしょうね。

 私は暗に‘視野が狭い’って言ったんですけど、伝わってるかな?

 ‘国外追放された’ことと‘ラド家はどうなったか知らない’ことは言ってないけどいいよね。向こうの方が失礼だし。

「ゴホンッ、私は公爵家長女のクラウス=ジャニスよ。そして、ノービア皇太子殿下の婚約者」

 本当に『自称』なんだなぁ。感心してしまう。

「まあ?殿下が連れてきた客人なら仕方ないかもしれないけど、この部屋はねぇ?客間でいいのでは?と思うけど」

 皇城に客間ってあるの?

「私も客間で十分だったんですけど、ノービア様直々にこの部屋を使うようにと仰せつかりましたので無下にはできないでしょう?」

「それでしたら、今後は客間を使いなさいな。これはノービア様の婚約者命令です!」

「誰が誰の婚約者だって?」

「「ノービア様!」」

「今日も麗しく貴方様に引かれるように皇城に来てしまいました」

「では、帰れ。皇太子命令だ。それから、私の婚約者はこのアンリーヌだ。しっかり脳ミソに刻んでおくように。そのように公爵にも伝えておいてくれ」

 ノービア様、腰~!腰~‼腰を引き付けてますよ。恥ずかしいです。

「アンリーヌ、騒がせたな。うーん、あんなのがいることを考えると早い所婚約式を行った方がいいかもしれないな。国内の重鎮はもちろんのこと、国外の重鎮も呼ぶ。ああ、アイリア王国の陛下も招待するぞ?あのワガママ王子のせいで、かなり憔悴していると聞く」

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  • 我慢の限界です。喜んで国外追放されましょう!   14.アンリーヌとノービア ⑦

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  • 我慢の限界です。喜んで国外追放されましょう!   13.アンリーヌとノービア ⑥

     滞りなく婚約式は終わった。 国内の重鎮は「これでこの国も安泰だな」とか言ってる。 国外の重鎮については、向こうがこちらの言語を話せることもあるが、逆に私が通訳のようなこともでき、国外の方にもお褒め頂いた。 アイリア王国の国王は覇気が失せていて、私が知っていた頃よりも年を取った印象を受けた。 王子のワガママ放題とその婚約者のワガママでウンザリしているんだろう。 これも自業自得というのだろうか? なにはともあれ、婚約式が終わった今!私は正式にノービア様の婚約者です‼  そういえば、ジャニス公爵閣下もいらしてましたね。国内の重鎮ですから。 ジャニス公爵閣下もなんだか元気がありませんでした。 『自称・ノービア様の婚約者』であったクラウス嬢を修道院に入れることになり、落ち込んでいるのでしょう。 それでも公爵家を継ぐ嫡男がいらっしゃるので、まだ元気な方です。 その方はまともに育ててほしいです。子育てが下手なのかしら? 一息つくとトイレに行きたくなるのが人情というもの。「ノービア様、少しトイレに行きたいので離れますね」 ずっとほぼくっついていたのです。 ほっと一息。トイレに行く途中で、私は見てしまった。 何者かが騎士様に連行されている様を! トイレから戻ってきて、ノービア様に報告です。「誰かわからない方が騎士様に連行されていました」「うーん、これはアンリーヌに言わないでおこうと思っていたんだが…」 私は、私の誘拐計画がある事をノービア様から聞きました。 なんて恐ろしい。「アイリア王国でしょうか?」「多分なぁ。この事で利があるのはアイリア王国だけだからなぁ。他の国だってアンリーヌみたいな賢く美しい女性を手に入れたいだろう。しかしだ!王子の独断で国外追放した女性だ。連れ戻したいんじゃないか?」 私はあの地獄のような日々には戻りたくない。「どうして私の意志を聞かないのでしょうね?」「そうだよな。アンリーヌ、戻りたいか?」「絶対に嫌です」 なんで妹に搾取されるような生活に好き好んで戻りたいと思うのよ! 陛下はそこら辺は調査したいないの? マイケルでさえ簡単に調査出来たことよ。王家の力をもってすればもっと詳しくわかるでしょうに。 見て見ぬふり?ダメダメじゃない? マイケルの調査によると、ラド侯爵家は乗っ取られただろう。そ

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